国際人権活動日本委員会

撮影=鈴木信幸(港北区役所屋上庭園のネジバナ捩花。別名モジズリ綟摺)

doc-p-title国際人権法に基づいた入管法の確立に向けての声明

 今年3月、名古屋入管に収容されていたスリランカ女性ウィシュマさんが失意のうちに死亡した。これにより日本政府による人権無視の入管施設の状況が改めて明らかになった。このような状況の中、国際人権法に背を向ける入管法改正案は、5月19日、多くの国民からの非難の声に押され遂に今国会での成立が見送られた。
2020年9月、国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会は、日本の入管収容制度に関する意見書を日本政府に対して発表していた。その中で、司法の承認や審査なしでの入管収容や仮放免が繰り返され、入管行政に無制限の裁量を与えているとして、「庇護を求めることは犯罪行為ではなく、世界人権宣言第14条に明記された普遍的な人権である」などと示していた。これに対して日本政府は「コメントできない」として反論していない。

日本政府は2021年2月、「出入国管理及び難民認定法」の改正法案を閣議決定し、4月中の国会では採決を目指した。この情報を受けて、恣意的拘禁作業部会及び国連人権理事会の3名の特別報告者は、3月31日、共同書簡を日本政府に送り、改正法案に対する懸念事項を表明し、① 依然として収容の期間や仮放免の権限を入管に与え、裁判所や司法当局の承認によらずに被収容者が恣意的に拘禁されることになり、日本は締約国として自由権規約第9条に反している ② 新たな「管理措置」は、300万円を超えない保証金の支払いに加え、親族や支援者を「管理人」として定め、対象者を「監視」する義務を負わせ、違反した場合には過料を科すなど過度に制約的であり、被収容者並びに管理人双方のプライバシーの権利を侵害するものである ③ 3回以上の難民申請者は送還の対象にするという改正案は、いかなる例外もない絶対的なものである「ノン・ルフールマンの原則」(迫害の恐れの国へ送還してはならない)に反する恐れがあり、この規定の順守を強く求めることなどを指摘した。

このように日本の入管行政は厳しく国連から指摘されていたにも関わらず、スリランカ女性に対する入管の対応は著しく国際法に反する人権を無視した行為であり、決して許されるものではない。徹底的な真相の解明と責任者の追及を求めるものである。

全ての人の生命と自由が守られ、そして国際法に基づく入管法の真の改正を早急に目指すことを国際人権活動日本委員会は日本政府に要求する。

2021年6月7日
国際人権活動日本委員会
議長 鈴木亜英

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